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SNM(仙骨神経刺激療法)

便失禁に対する新しい治療法 仙骨神経刺激療法(SNM)

SNM(仙骨神経刺激療法)について

概要

仙骨神経刺激療法とは仙骨神経を刺激する細い線から仙骨神経を刺激して便失禁を治療する方法です。70%程度の有効率があり、その効果は長期に持続します。
分娩時の括約筋の損傷、直腸癌術後の便失禁、括約筋機能低下等、様々な原因からの便失禁に対して適応があります。
また、刺激する装置は必要であれば、抜去することが可能である事もこの治療の利点です。

詳細

排便に関連した神経を刺激することによって、症状の改善を図ります。
SNM(仙骨神経刺激療法)とは、排便に関連した神経を心臓ペースメーカに似た小型の刺激装置で継続的に電気刺激し、症状の改善を図る治療方法です。
欧米では、便失禁に対する有効な治療方法のひとつとして20年程前から実施されています。

心臓ペースメーカのような小型の刺激装置をおしりのふくらみに植込みますが、この刺激装置を植込む前に、2週間ほどリード(神経へ刺激を伝達するための細い線)のみを入れて体の外から、試験的に刺激を送って治療の効果が得られるかどうかを確認します。

この試験刺激によって効果が確認された方のみ、刺激装置の植込み手術へと進みます。

刺激装置を植込んだ後も患者さんの状態や症状に合わせて、刺激方法や電気刺激出力の設定を患者さん自身が調整することができます。

仙骨神経について

仙骨とは背骨の一番下の腰骨、つまり腰椎の下につながっている逆三角形の骨。
骨盤の一部を形成している骨です。
仙骨にあいた穴(仙骨孔)から出ている神経が仙骨神経です。
その神経の一部が肛門や膀胱、直腸の方に伸びていくのです。
そして、直腸や肛門の感覚や運動に関係しています。

治療法について

手術療法となります。
第1段階で刺激電極を植え込みます。
その後2週間の評価期間を経て効果を認めた患者さんだけが、第2段階の刺激装置を植え込む手術を行います。

第1段階

仙骨神経の近くに刺激電極となる細いリードを刺します。麻酔をかけてかけて行います。

評価期間

体外式の刺激装置を用いて電極から刺激電流を流します。その間、排便日誌をつけて、便失禁の回数や程度を記録します。

第2段階

心臓のペースメーカーみたいな装置を腰臀部の皮膚の下に埋め込みます。局所麻酔または全身麻酔で行います。


手術後は刺激装置から弱い電流を出し、神経を刺激し続けます。定期的に通院して効果を評価し刺激の強さを調節します。


副作用は?

植え込んだ刺激装置の感染や、同部の痛みの報告があります。場合によっては刺激装置を入れ替えたり、抜去して治療を中止する事もあります。

注意する事は?

MRI検査に制限が必要で、ジアテルミー治療(短波や超短波といった電磁波を使った治療)は避ける必要があります。

費用は?

通常の国民健康保険および高額療養費制度の対象となります。